農村計画学会(後援:宮崎大学,宮崎県,世界農業遺産高千穂郷・椎葉山地域活性化協議会)による地域シンポジウムをYouTube及びZoomウェビナーによるオンライン参加で開催致しました。
【テーマ】大学・地域連携のあり方を考える
【日 時】2020年12月19日(土)13:00~17:00(オンライン開催)
【費 用】無料
【趣 旨】
農山村の高齢化・過疎化が進行する中、地域に直接的に貢献する主体として大学が期待されるようになり、全国各地で、大学と地域の連携する取り組みが進められ、「地域」を冠する大学の学部・センターの設立なども目立つようになった。しかし、大学・地域連携の具体的実施については、地域住民、行政、大学など、連携する多様な主体の期待や立場等が交差し、必ずしもそれぞれの期待が満たされつつ進んでいるとは限らない。宮崎県においても、2016年に地域資源創成学部が新設され、県内の9大学・高専が連携するCOC+事業などが展開するなど、大学・地域連携が進んでいるが、戸惑いも含め様々な思いが交錯している。
そのような中、地域と大学の間で、ゆるやかな「相思相愛」の関係にあるかもしれない連携がある。宮崎県北部に位置する高千穂郷・椎葉山地域がFAO世界農業遺産(以下、GIAHS)に2015年12月に認定されたことを契機に始まった大学・地域連携である。そこで、多様な専門性を持つ宮崎大学地域資源創成学部及び農学部の研究者と宮崎県庁職員から構成される十数名のGIAHS研究会メンバーは、(時には大学生を伴いつつ)条件不利地のGIAHS地域に入り地域関係者(自治体、民間、社会組織、教育機関、地域住民など)とつながり、研究・教育等に携わってきた。なぜ、高千穂郷・椎葉山地域でこのような連携が続き、深まっていているのか。本シンポジウムでは、この事例をとりあげ、農山村の未来を地域と大学がとも考え、ともに力をつける関係性を築く連携のあり方について、議論を深めていきたい。
【プログラム】
1.開会挨拶 一ノ瀬友博 (慶応大学・農村計画学会 会長)
2.第I部 講演・事例報告
・講演1:「高千穂郷・椎葉山地域がつなぐ大学・地域連携」西和盛 (宮崎大学)
・報告1:「多様な主体による協働、世界農業遺産高千穂郷」椎葉山地域活性化協議会
・報告2:「地域に誇りをもつ人づくり」戸敷二郎(五ケ瀬中学校校長)
・講演2:「バウンダリー・オブジェクトとしての世界農業遺産-関係価値の創造-」
阿部健一(総合地球環境学研究所)
・報告3:「 GIAHS認定地の試行錯誤-実務者の課題と希望-」嶋田奈穂子(総合地球環境学研究所)
3.第II部 総合討論
・コーディネーター:藤掛一郎(宮崎大学)
・コメンテーター :中塚雅也 (神戸大学)
4.閉会挨拶 熊野稔(宮崎大学)