主に中国地方における2014年度までの取り組み
■まちなか再生・市街地再開発事業について(山口県内下松市・防府市) |
下松市駅南リジューム計画
昭和62年度に、当時の建設省都市局(現在:国土交通省、都市・地域整備局)所管の『都市活力再生拠点整備事業』として制度化された。下松市駅南地区はその調査地区第1号に指定され、全国のリジューム事業の中で最後まで残り事業化された。筆者は当初から地元専門委員として関わり、ワークショップ開催や模型作りなどで協力してきた。
1988年に『人が住むまち・すみたくなるまち』をコンセプトに下松駅南リジューム計画が策定されて、街路拡幅事業の都市計画道路とそれにあわせた沿道の協調建て替え、共同建て替えが進み、18年後の2006年秋に第1・第2街区の再開発ビル(通称ツインスター)の竣工を迎えて、新しい下松駅南の町の顔が誕生した。
防府市の市街地再開発事業「ルルサス防府」の完成
2004年12月着工、2006年6月竣工の第1種市街地再開発ビル「ルルサス防府」が防府駅北東の中心市街地に完成した。1階の商業施設や2階以上の公共施設、住宅棟から構成され中心市街地の活性化に寄与した。筆者は2001年3月に報告書完成の防府駅北東街区市街地再開発事業計画策定委員会委員長、2003年5月に防府駅てんじんぐち市街地再開発事業設計者選定委員会委員長、2005年度第3次防府市総合計画後期基本計画・防府市まちづくり委員会委員として協力した。
■中心市街地活性化 |
「徳山駅周辺整備」中心市街地プロジェクト
学識経験者や経済団体の代表らで構成する「徳山駅周辺整備推進検討委員会」(委員長、熊野稔・徳山工業高等専門学校助教授)は2004年10月18日、JR徳山駅周辺整備構想を山口県周南市の河村和登市長に報告した。同構想は駅の北側と南側を結ぶ南北自由通路を設け、両側の駅前広場を整備するなど十事業を盛り込んだ。
2020年6月 徳山駅周辺整備景観表彰
徳山駅周辺地区が、「都市景観の日」実行委員会が主催する、都市景観大賞都市空間部門で優秀賞に選ばれました。
■ポケットパークを活かした県道拡幅事業(周南市・松江市) |
山口県周南市の県道街路拡幅事業「夢風車通り」
新南陽駅から北へ伸びる県道は拡幅工事のときにポケットパーク(緑やベンチなどで修景された公開利用可能な小広場)を道路残地の活用で高密度に4つ作り、景観整備を行った。北からさくら坂公園、御殿地公園、いなり下公園、水分け公園と命名され地元で管理されている。
通りは沿道の住民の重要な生活道であるばかりでなく新南陽高校の通学路でも有り、歩行者が安心に歩行できるようになった。生活景が改善され、拡幅事業を通じて地元まちづくりの組織化とコミュニティの強化が図られ、定期的な祭りにより街がにぎやかになった。
「ポケットパークの計画と管理」で学位を取得した筆者が協力した。総延長1210m、幅員16mの構成である。片側8mのうち、歩道3.5m、停車帯1.5 m、車道3 mである。平成8年12月26日、都市計画街路新南陽停車場線(政所~土井地区)道路景観計画策定協議会(熊野稔会長)が山口県徳山土木事務所の主催で設立され協力指導してきた。
松江市の県道大手前通り拡幅事業
延長1040m、幅員29mの事業は平成18年(2006年)8月より、島根県松江県土整備事務所が事務局となり、地区の代表が中心となって、「大手前通りみちづくり委員会」(熊野稔委員長)が発足した。道路混雑やバリアフリー等の都市環境改善のため委員会では、3回にわたってみちづくりの基本方針やキャッチフレーズの検討が行われ、CGやモデル展示場の活用により、街路樹や色彩、舗装材の性質など様々な点について活発に議論をし、各分野の専門委員からは都市景観、医療福祉、歴史、商業、観光などの観点から検討を重ねてきた。コンセプトとして「憩いと賑わいを創造する 城下町松江のシンボルロード」を選定し、ポケットパークも有す。 平成19年2月に提言書をみちづくり委員会から松江市長と島根県知事宛に手渡した。
■温泉街のまちづくり支援 |
長門市俵山温泉の再生
西日本一の湯治場と称される山口県長門市の俵山温泉は20年来、来客の衰退傾向が続いていたが、平成14年から17年度に掛けて取り組んだ産学協同の活性化への取り組みにより、16年度は、10年ぶりに前年比を上回り、17年度は前年客比78%の増加となった。地元の熱意、天然温泉100%かけ流しの魅力、俵山温泉活性化ビジョンの策定と出来るところからの取り組み、近畿圏からの湯治格安ツアーの実施、マイクロバブルを世界で始めて導入した温泉施設「白猿の湯」の筆者によるプロデュースと完成などの成果による。
長門市湯本温泉活性ビジョン
観光客のみならず、市民も散策したくなるような歩行者空間の整備、さらには観光による、まち全体の活性化を図るため、地元主体で取り組む活性化ビジョンを湯本温泉活性化協議会の意見をもとにワークショップも実施して2012年に策定した。長門市も連携・支援する。
湯田温泉活性化プラン
「住んで良し訪れて良し」の山口市湯田温泉まちづくりを目指した長期計画の策定を目的とする.この長期計画は2012年から約20年後の2030年の湯田温泉街を想定して,景観,健康及び賑わいに着目し,ハード面,ソフト面の両面から考えた。
■地域振興 |
■ひかりソフトパーク構想プロジェクト
周南地域振興計画策定調査(ひかりソフトパーク構想プロジェクトチーム・チームリーダー)として光市浅江地区に立地するソフトウェア企業集積のソフトパ-クの実現化調査計画を作成した。全体的指導を行い、全体構想とパ-ス等を策定した。コンピュータカレッジとソフトウェアセンターを併せもつ本構想は、山口県、光市が事業主体になって実現化され、平成6(1994)年5月24日に竣工式を行い今日に至っている。開発面積は、15.6ha、造成工事の工期・事業費は、平成4~6(1992~1994)年度 約19億円である。全区画販売され、山口県の成功事例の産業団地の一つとされる。(株)巽設計コンサルタントのコンサルタント会社も立地する。
■山口県錦町まちぐるみ博物館計画
平成8年(1996)度錦町街おこし推進事業報告書として、錦町広瀬商店街をとりまく現状・動向、経営者意識アンケ-ト調査結果、消費者アンケ-ト調査結果、モニタ-調査結果、消費者懇談会結果、先進視察、今後の方向性と対策で構成した。まちぐるみ博物館計画を具体的に提示した。
■道の駅と地域振興の研究 |
「道の駅」による地域振興と災害支援 及び都市農村交流の研究
平成3年の山口県阿武町と田万川町(現萩市)で世界最初に行われた道の駅社会実験に筆者が参画して以来、わが国オリジナルの地域振興施策といえる道の駅の研究に従事し、道の駅による地域振興への手法開発を研究中である。道の駅菊川のプロデュースや道の駅頓原の情報交流館の計画設計、道の駅による地域振興の手法開発や災害支援、及び都市農村交流やグリーンツーリズムなどを通じて実践的な研究を行っている。
・熊野稔建築作品設計 道の駅「頓原」情報交流館
■市庁舎建設系 |
周南市新庁舎建設
平成24年度周南市庁舎建設基本計画策定業務委託及び執務環境等調査業務委託に関わる公募型プロポーザル選定委員会委員長歴任。
・平成24年度:周南市新庁舎建設検討市民委員会会長、周南市庁舎建設設計者選定委員会委員長
・平成31年度:竣工